海外招待演者紹介1
Pierre Lasjaunias Memorial Conference(PLMC)とそれに参加する海外演者
Pierre Lasjaunias先生は発生学・神経および血管解剖学・脳血管内治療をむすびつけた偉大な放射線科医で、不滅の名著であるSurgical Neuroangiographyの著者でもあります。また残念ながら2008年に急逝されました。この本の初版は1987年に出版されていますが、はじめからSurgical Neuroangiographyというタイトルがついています。私がこの本をはじめて手にしたのは20年ほど前ですが、このタイトルがとても不思議でした。PLMCではLasjaunias先生に関係の深い先生に講演していただきます。日本からは田中美千裕先生とLasjaunias先生の最後の弟子であるキッティポン先生に講演していただきます。動静脈シャント疾患のより深い理解のために、是非とも参加してください。
Georges RODESCH
Diagnostic and Therapeutic Neuroradiologie Hopital Foch
France
Michael Söderman
Department of Neuroradiology, Karolinska University Hospital
Sweden
ノーベル賞で有名なカロリンスカ大学の所属ですが、Lasjaunias先生と多くの仕事をしています。PLMCでの講演の他に、フィリップスとの共催セミナーで低被ばく血管造影装置の講演があります。
Sirintara Pongpech
Radiology, Candidate for Professorship
Ramathibodi Hospital Mahidol University
Thailand
Lasjaunias先生は日本を含めたアジアの人々と多くの交流がありました。とくにタイのチェンマイでは年に2回の教育コースを開催し、世界中から人が集まりました。Ponpech先生はそれを引き継ぎPLANETコースとして、現在も継続しています。
第30回日本脳神経血管内治療学会会長
虎の門病院脳神経血管内治療科
松丸祐司
海外招待演者紹介2
Raul G. Nogueira M.D.
Associate Professor of Neurology, Neurosurgery, and Radiology, Emory University;
Nogueira先生は米国で最も活躍している脳血管内治療医の一人で、神経内科医です。はじめて来日します。TREVO2試験の主任研究者であり、またSWIFT試験の運営委員を務められました。現在進行中のものでは、DAWN試験(Trevo and Medical Management Versus Medical Management Alone in Wake Up and Late Presenting Strokes)の主任研究者、SWIFT PRIME試験の運営委員など、世界で注目を集める重要な試験の中枢的な役割を担い、本分野を牽引するエキスパートとして非常にご高名な先生です。
急性期脳梗塞治療の他にも、脳動脈瘤、AVM、DAVF、腫瘍塞栓、頭蓋内狭窄症、頸動脈ステントなど多岐分野に渡る血管内治療の経験と業績を持っています。
JSNET2014では、2日目のランチョンとイブニングでTrevoを中心とした急性再開通治療の講演と、3日目のシンポジウムでWingspan stentの講演をしていだだきます。
急性再開通治療にたずさわる全ての人に聞いていただきたい講演です。特に血管内治療を目指す内科医には目標となる人だと思います。
重要文献
Nogueira RG et al. Trevo versus Merci retrievers for thrombectomy revascularisation of large vessel occlusions in acute ischemic stroke (TREVO 2): a randomised trial. Lancet. 2012 Oct 6;380(9849):1231-40.
第30回日本脳神経血管内治療学会会長
虎の門病院脳神経血管内治療科
松丸祐司
海外招待演者紹介3
Dr Naci Kocer
(トルコ イスタンブール大学放射線科教授ニューロラジオロジー部門)
Kocer先生は1988年にHacettepe大学医学部を卒業された後、イスタンブール大学医学部Cerrahpasa病院放射線科に入局され、2000年に放射線科教授に就任されたのち、現在もニューロラジオロジー部門で脳血管内治療を専門として活躍しています。
最近の主な興味分野は、動脈瘤治療の血行力学、金属/液体材料による血管形成術、異常血管形成の経血管的治療、ストロークの経血管的治療、3次元的血流シミュレーション、ならびに未破裂動脈瘤のリスク分析です。脳血管内ステントは1998年に循環器用ステントを脳血管内で初めて臨床使用しました。開発アドバイザーとして複数のフローダイバーステント開発に関わりながら、現在までに300例以上のFlow diverter stent を使用しています。また最近は新しい液体塞栓術にも積極的に取り組んでいます。
ランチョンセミナーでは日本ではまだあまりなじみのないFRED、新しい液体塞栓材などについて、欧米での臨床知見を中心にお話いただきます。
また学術・教育活動として、WLNC(World Live Neurovascular conference)のOrganizing committee の一人として、前身であるACINR courseのころから深く関わっております。
http://www.wlnc.net/en/default.asp
発表文献
- 1.Kocer N, et al. Flow Re-direction Endoluminal Device in treatment of cerebral aneurysms: initial experience with short-term follow-up results.
J Neurosurg. 2014 May;120(5):1158-71 - 2.Kocer N, et al. Fused magnetic resonance angiography and 2D fluoroscopic visualization for endovascular intracranial neuronavigation.
J Neurosurg. 2013 May;118(5):1000-2.
海外招待演者紹介4
Vitor Mendes Pereira MD MSc (Associate Professor of Radiology University of Toronto) |
Pereira先生はブラジル出身の神経放射線科医で、パリでPierre Lasjaunias先生およびJacques Moret先生に師事し、2008年からはスイス ジュネーブ大学にてインターベンショナル神経放射線学のトップとしてチームを牽引し、最近カナダのトロントに移られました。
急性期脳卒中における血管内治療の発展に大きく寄与し、STAR TrialやSWIFT-PRIME studyにおいて治験責任医師として臨床研究をリードされてきました。
近年ではFlow Diverterを含む頭蓋内ステントなど新たな治療技術の研究および臨床への導入に従事し、ご自身が主催者の一人でもあるLINNC Parisをはじめとする多くの国際学会でもご活躍され、様々な側面からみた脳神経血管内治療に関する論文や書籍を発表されています。
主な文献
- Pereira VM, Kelly M, Vega P, Urias A, Yilmaz H, Erceg G, Lovblad, KO, Krings T
New Pipeline flex device: Initial experience and technical nuances.
Accepted in JNIS - Pereira VM, Gralla J, Chapot R, Bonafe A, Nogueira RG, et al.
Prospective, Multi-Centre, Single-Arm Study of Mechanical Thrombectomy using Solitaire FR in Acute Ischemic Stroke- STAR.
Stroke. 2013 Oct;44(10):2802--‐7.
IF:6,02 - Pereira VM, Ouared R, Brina O, Bonnefous O, Satwiaski J, Aerts H, Ruijters, D,
Perren F, Marcos Gonzalez A, Bijlenga P, Schaller K, Lovblad KO
Quantification of Internal Carotid Artery (ICA) Flow with Digital Subtraction
Angiography (DSA)
AJNR Am J Neuroradiol. 2014 Jan;35(1):156--‐63.
IF:3,46 - Pereira VM, Bonnefous O, Ouared R, Brina O, Satwiaski J, Aerts H, Ruijters D,
Narata AP, Bijlenga P, Schaller K, Lovblad KO
A DSA-based method using contrast motion estimation for the assessment of the intraaneurysmal flow changes induced by flow diverter stents
AJNR Am J Neuroradiol. 2013 Apr;34(4):808--‐15
IF:3,46 - Pereira VM, Narata, AP, Marcos Gonzales A, Sztajzel R, Lovblad KO
Use of stentrievers in acute stroke: tips, tricks and current results
Techniques in Vascular and Interventional Radiology. 2012; 15(1): 68--‐77
IF:2,43
海外招待演者紹介5
Aquilla S.Turk,M.D |
サウスキャロライナ医科大学放射線科&脳神経外科教授。46歳。
学会は「American Society of Neuroradiology」、「Society of Neurointerventional Surgery」に所属。
多岐に渡る分野のスタディに参加。
急性期脳梗塞治療に関するスタディ以外に、FlowDiverterStent、各種Coil、頭蓋内STENT、頸動脈STENT、画像診断関連等、非常に多くのにスタディに関与。
論文も多く執筆。最近の主な論文では、ADAPT FAST study(a direct aspiration first pass technique for acute stroke thrombectomy/J Neurointev Surg.2014 May)が有名。
Penumbraシステムを持ちいた、「ADAPTテクニック」の有用性を世界に発信。
ビセットル病院で長くLasjaunias先生とともに多くの仕事をされ、もっとも彼のことを理解している人であると思います。動静脈シャント疾患に関しすばらしい知識と技術をもっており、特に脊髄疾患にはすばらしい業績があります。Onyxが一般化している現在でも、Magic catheterとNBCAをたくみに使います。初日はじめのプレナリーで、発生学と解剖学の血管内治療における有用性を講演していただき、初日のアフタヌーンセミナーではDAVFに対するそのテクニックをみせていただきます。